2014年3月11日火曜日

出会い

授業受けるのがだるくて保健室で眠っていた。幸い保険医は出ているようだ。だいたい今時髪染めるくらい普通じゃねーか、だから田舎は嫌いなんだよ。ここを卒業したらぜってーこんなとこ出て行ってやる。



ベットに寝っころがり、ぶつけようのない苛立ちに悩まされながら静かに眠りの渦に巻き込まれていった。























「ぁ……んっ……」
隣のベットから聞こえてきた物音に目が覚めた。ふと音の聞こえた方向に目をやるとちょうどカーテンの隙間から情事にふける男の顔が見えた。



保健室でさかってんじゃねーよと若干の苛立ちとこんなところでやってる相手の顔も見てやろうという好奇心に襲われた。人間としてそれはまずいと思いつつも、思春期真っ只中の俺は好奇心に勝つことができなかった。
「少しだけだし…」
軋むベットの上、絡み合う2人は俺が見ていることに気づかない。
(…えっ……?)


桃色に色づく乳頭、キメ細かい透き通るような白い肌。切なげに揺れる長いまつげはどこか憂いを帯び、小さな唇からは甘く相手を誘うように漏れる少し高い声。
正直、自分の描く理想の彼女のルックスだった。ある一点を除いて。
(相手も…男…?…ってか…あいつ確か…同じクラスの…シン…?)
男からの愛撫に身をくねらせ、ねだるようにあげる声は女のように妖美でしばらく目が離せないでいた。やがて2人は昇りつめたようで、男の方は着崩れた制服を直すとさっさと出ていった。








シンは俺と似たようなものでいつも1人でいる。桁外れのルックスでクラスの女子はいつもあいつに黄色い声をあげている。だが、本人は無口で「クールなところがいい!」と言う女子もいるが同性からしてみると絡みにくいタイプだった。気がつくと浮いていた、そんな感じだった。だから余計にあいつの乱れる姿が信じられなかった。
(やべっ…)


男の痴態に反応してしまった。そんな自分に呆れる、仕方ない、トイレで処理すればいいか。シンに気づかれないようにゆっくりとベットから這い出て向かおうとした。
「…っ!?」






保健室から出る手前で肩を掴まれ後ろを向かされた。目の前には紅に染まった頬と唇、潤んだ瞳のシンがいた。男にもかかわらず、溢れる色気に目が離せなかった。
「…ねぇ…見た…だろ…?」
ばつが悪そうに目をそらしながら問われた。正直に言った方がいいのか…?


「………いや…なんも…」
「絶対見ただろ…?それ…」
シンの目線の先には反応してしまい膨らむそこに注がれていた。
「いや…これは…あれだから…あの…寝てて…」
我ながら苦しい言い訳だ。



「……そっか…それ…やってやろうか?」
「…はぁ!?」
驚きのあまり動けずにいた俺はシンにベットへと押し倒された。




「口でいいよね…?」
「いいって!自分でできるし!」
「俺うまいからすぐ終わるよ、目でもつぶって好きなアイドルとか想像しててくれればいいし。…好きな女の子はちょっと生々しいからやだけど。」
そういうと小さな口を拡げて俺の自身を咥え込んだ。上目遣いに俺を見る姿は扇情的で思わず見つめてしまう。


「ふぁすがひ、みらへるとはふかしいんらけど」
「っ…ああ、わりぃ…」
自分でうまいと言っていただけあって俺はあっけなく果てた。彼女がいた時に好奇心からやってもらったこともあったが、比べものにならなかった。


「もし溜まってたら言ってよ」
そう言葉を残し呆然とする俺をおいてシンは去って行った
「何だったんだ…?」
こんがらがる意識の中、あいつの切なげに揺れる瞳がまぶたに浮かんだ。

 

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